読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

大学で近代日独軍事史を研究する伊藤智央のエッセイ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います。

【裏技】外国語が聞き取れないときに、会話を切り抜ける方法

語学 語学-ドイツ語 語学-英語

英語やドイツ語といった外国語でコミュニケーションをとっていると、非母語者にとって100%は理解できない状況が現れることがあります。

相手の意図が理解できる限り虫食いの部分は推測で補って何とか会話をつなげていけますが、この虫食いの部分が大きくなればなるほど、推測が難しくなります。

ここではこのような状況をうまく切り抜ける裏技をお教えします。

外国人と立ち話

通常の対処法

①聞き直す

相手の言っていることがわからないときは、わからないから聞きなおすというのが一つの方法です。恥ずかしがらずに聞き直してOKです。ただ、何度も聞きなおすのも、会話の流れを止めてしまうかもしれないという遠慮から、聞きなおさないほうがいいと思ってしまう場合もあります。

②笑ってごまかす

そんなときに、わからないから笑ってごまかすのはよくないです。というのは何らかの適切なリアクションをしたほうが、相手の言っていることを理解しているというサインを出せるからです。ニコニコしてごまかしても、理解できないからごまかしていることが相手には見え見えです。

そこで、相手が何言っているのかわからない、どう答えていいのかわからない、というときに使える、おすすめの裏の手があります。

裏技:自分の土俵に引き込む

裏技とは、こちらの側から新しく話題を切り出すことです。

といっても全く新しい話題を切り出すのではなく、相手が言った話題のうち、自分が話せる部分を、前の文脈に関係なく切り出すことを指しています。

例:ゾンビ映画について会話しているとき

例えば、ゾンビ映画の話*をしていて、社会の死生観がどのように変遷していったのかに話題が移ったとします。そのときに相手の主張がよくわからないとします。

ゾンビ映画のまとめ記事も書いております

例えば以下のような場合です。

 
ドイツ社会の死生観は1970年ごろのXXX(中略)がXXXでXXXだったと思うよ。でも現代にもそれは通じてて、XXXにもそれは現れているけど、XXXの場合もあるかな。

 

 

こういうとき、死生観の変遷というおおまかなテーマを話しているのはわかりますが、それ以外はわかりません。しかし、ここで自分から話の流れを積極的に作っていくことで場を切り抜けられます。例えば

 
ドイツの話じゃないけど、ドラマのウォーキングデッドはゾンビになってしまった近親者に対しても、きずなを断ち切れない様子を描いているよね。
 
それは、昔の映画がゾンビをどちらかというと死んだもの、生者とは無縁のもののように描くためにグロテスクさのみを強調しているのとは対照的だと思う。これって、最近のアメリカの、XXXの傾向を反映していると思う
 

*会話内容は例です

自分のテーマへと無理にでも振る

重要なのは、冒頭の「ドイツの話しじゃないけど」という切り出しです。相手が切り出したテーマについて「それはそれとして」というように一旦横において、自分の話しを継いでいきます。

新しいサブテーマ、それも自分が何らかの知識や意見を持っているテーマを切り出すことで、今度は相手側がそれに応じた応答をしてくれます。

自分が話した内容は100%理解できる

自分の投げかけた話は、当たり前ですが、外国語であろうと100%理解でき、自分が話した内容によって相手のリアクションの幅は狭まります。そのため、相手のリアクションも相当部分が推測できます。しかも今度は自分の知っている内容に話しの流れをもっていけたので、会話へも参加しやすくなります。

例えばこの会話の例だと次に相手が話してくる内容は、

  • ウォーキングデッドというドラマの話か
  • ゾンビにも近親者がまだ感じ取ろうとする人間性の叙述形式か
  • 最近のアメリカの~~~という傾向か

といったように、自分が話した内容のうちのどれかに関連したものになる可能性が高いです。

会話の主導権を握る

自分の知っていることを、おおまかなにわかっているテーマに結び付けて話していく。これを会話の中で適宜行うことで、相手の発音が方言で訛っていても、早口でも、もごもご言っててはっきり発話しない場合でも、会話の流れをある程度コントロールできるようになります。

これぐらいしないと、母語者である相手に話しの主導権を握られ、ただの聞き役に徹してしまいます。内容はわからない、テーマは興味ないとなれば、会話は面白くないのは当たり前です。

遠慮は要りません

使うかどうかは別として裏技のレパートリーが多いに越したことはない

但し、これはあくまで裏技であって、できる限り相手の話を受ける形で会話を続けていくことが望ましいです。こっちの言いたいことばかりを言っていると会話は成立しないので。

確かにこうした裏技は検定・試験対策には関係ありません。外国語学習にとって外道かもしれません。しかしこういったテクニックは、点数をとることではなく実際に外国語で会話していく上で、知っていても損はないでしょう。むしろ、そうした裏技が、会話を円滑に進めていく上で必要になる場合に直面することさえあります。

こういったテクニックは机上で本を使いながら外国語を勉強しているだけでは修得できないものです。実戦経験を積むと、こうした奥の手レパートリーが増えていくものです。

ちなみに、私は修士課程にいる頃にこの裏技にお世話になりました。

関連する記事