元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

【天気・イベントカレンダー】ドイツ観光におススメな時期はいつなのか?

ドイツへ観光に行く場合、どの季節が一番観光によいのでしょうか。

間違った時期に来ると天気が悪かったり、暑すぎたり寒すぎたりでせっかくの旅行が台無しになります。加えて、旅行したときに面白いイベントがあれば楽しみも倍増します。そこでここでは、観光に最適なタイミングを各月ごとに解説していきます。その際には天候とイベントを軸におススメなシーズンを明らかにします。

1月-3月

天気

はっきりいって、外を歩き回るには寒すぎます。年によっても違いますが、昼間も氷点下が続く日も少なくないですし、雪が降った場合には交通機関は大幅に乱れます。移動が多い旅行客にとっては、なるべく避けたい時期でもあります。

からっと晴れる日も少なく曇りがちなことに加えて、日の出が遅く、日の入りが早いことから日照時間も少ないです。日照時間が少ないとやはり観光には不便でしょう。それに、日の入り後の街は閑散としていることが多いのであまり面白くありません。

個人的には、冬の天気があまりにもひどいのでドイツに来た最初の数年は鬱になりそうでした。天気が体調にこれほど影響を与えるのかとは日本にいた頃には思いも寄りませんでした。

ドイツの冬は極寒で天気も曇りがち

イベント

カーニバルが年によって異なりますが2月から3月に行われます。特にケルン、マインツ、デュッセルドルフの練り物行列がみものです。

個人的には、ただの装飾のついた山車からお菓子が降ってくるだけなので、あまりおススメではありません。政治的な風刺を表現している山車もありますが、私にとってはちらっと見て十分です。日本の神輿を担ぐような「お祭り」とは違いますが、人が集まって楽しく騒いでいるので、それが好きな方にとってはいいのかもしれません。

ドイツのカーニバル

カーニバル以外には特に目立った行事もありません。ドイツ人にとって、年明けから4月ぐらいまでは祝日もなく、ただ春が来るのをひたすら耐えるという時期です。そのため、観光客にとっても面白いシーズンとはいえません。

4月

天気

天候が変わりやすい時期。時には雪や雹も降ることもあります。気温も変わりやすいのでこの時期はおススメではありません

イベント

5月-7月の項参照。

5月-7月

天気

暖かくなり始める時期。暖かいとは言っても湿気が少ないことが多いため、日陰は涼しく感じられる。夜には長袖が必要なほど気温が下がることもあります。

日本は梅雨に入るころなので、梅雨を避けるという意味でもおススメな時期です。

自然もきれいな時期で特に菜の花畑がきれいです(4月-5月)

ドイツの景色いっぱいに広がる菜の花畑

イベント

4月-5月にはヨーロッパ最大の「春の祭典」(Frühlingsfest)がシュトュットガルトで行われます。内容はミュンヘンのオクトーバーフェストと似たようなものです。テントの中で民族音楽がライブで流れ、その中でひたすらビールを飲むというものです。テント外には移動式遊園地や屋台があり、ビールを飲まない人も楽しめます。

参照:Frühlingsfest

ドイツと言えばビール

他にも、年によって変わりますが5月か6月にある聖霊降臨祭(Pfingsten)には例えばローテンブルク(Rothenburg)で時代まつりがあります。17世紀の服装をした出し物があり、いつものドイツとは違う様子を楽しめます。

参照:Rothenburg ob der Tauber - Historisches Festspiel

8月

天気

ひたすら暑いので観光はやめた方がいいです。

観光をするとなると外を歩くことが多いので、日差しをまともに受けます。この日差しが強烈です。確かに日照時間も長いのですが、観光には向いていないでしょう。

イベント

特になし

9月-10月

天気

2月と並んで、年間を通して最も雨の少ない月です。(日数単位)気温もちょうどよい高さで寒すぎずも暑すぎずと言えます。

参照:Klima Deutschland - Klimadiagramme und Klimatabellen für Deutschland - wetter.de

イベント

有名なオクトーバーフェストがミュンヘンで行われます(9月-10月)。簡単に言うと、ビール飲み祭りです。

テントはオープンするとすぐに満席になることもあるそうです。ですので、予約をしたほうが賢明です。予約はその前の年の11月から始まるそうなので、早めにしたほうがいいです。主な観光客はアメリカ、日本、オーストラリアからです。

ミュンヘンのオクトーバーフェスト

オクトーバーフェストの名物、ビール

11月

天気

11月は最高気温:7度~最低気温:1,7度と寒くなり、やはり観光には向かないでしょう。

参照:Klima Deutschland - Klimadiagramme und Klimatabellen für Deutschland - wetter.de

イベント

特になし

12月

天気

当たり前ですが、天気は11月よりももっと寒くなります。外で立っていると重装備をしていても凍えてきます。特に風が強いときには、あまり対応が取れない顔がつらいです。

イベント

しかし、観光の目玉であるクリスマスマーケットが開かれます。始まる時期は街によってバラバラですが、12月に入ると開かれる場所も多くなります。ですので、クリスマスマーケット中心の観光であれば12月から観光するほうが賢明です。

雪の中開かれるクリスマスマーケット

クリスマスマーケットで飲んでいただきたいのはグリューヴァインです。ワイン(赤が普通ですが、白もあります)をレモン、シナモン、トウシキミ、クローブという香辛料と一緒に温めた飲み物です。定番です。

クリスマスマーケット観光の定番と言えばグリューワイン

春と秋がおススメ

以上、各月ごとに観光の際の注意点を述べてきました。一覧表にまとめると以下のようになります。

各月における天気・イベントと観光の適合性をまとめた一覧表

やはり5月、9月-10月が観光に一番おススメです。次におススメなのが4月、6-7月、12月になります。ただ12月は北海道並にかなり寒いので、暖かい服装が必需品です。

*ただドイツといっても地域的な差もあるので、ここでは一般的な傾向について述べています。

補足:8月と12月は航空券の値段が高くなる

8月と12月、とりわけお盆とお正月休みの時期は日本からの飛行機代が高くなる傾向があります。会社員が休みをとりやすいのがこの時期に集中しているためで、通常の料金の何倍にもなります。

そのため、上記のおススメの時期のうち8月中旬と12月末は、費用の面から考えて避けた方がよいでしょう。

是非、おススメな時期にドイツを訪れてみてください。

ドイツ旅行に関連する記事