元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

【体験談】博士論文を2年以内に提出するための具体的方法

私はドイツの大学で博士論文(歴史系分野)を提出しましたが、合計で1年11か月を要しました。

博士論文提出後にも口頭試験や、国によっては出版*1という条件をクリアして初めて博士号が授与されますが、一番の難関は論文を執筆することです。ここで10年費やしたり、挫折してしまうことも多いでしょう。

ということで、私が博士論文を提出するまでに実際に行ったテクニックをまとめて紹介することで、執筆を予定している、もしくは現在、博論に取り組んでいる人の参考に供したいと思います。

*1:ドイツの場合

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留学に人生を振り回される文系研究者たち

地域研究をしている場合、その地域への留学は研究者人生においてほぼ義務です。

ただ、留学期間や形態は個々人の事情によって異なっています。

史料を収拾するために海外の大学に籍を置いて、日本に帰ってから日本の大学で論文を提出する場合もあれば、そのまま海外の大学で博士論文を提出することもあります。海外で学位を取ろうとする場合、その大学での指導教授とのコミュニケーションも欠かせませんし、学生間でのコミュニケ―ションも必要となります。

私はいろんなタイプの留学生を見てきました。

その中には現地で博士号をとることを目指して留学したがゆえに、その後の人生が全く変わってしまった人もいます。そのような人を見ると、果たして留学という選択が研究者人生にどのような影響を及ぼすのかについて、深く考えさせられます。

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