秋になったら、いたるところに落ちているどんぐりや西洋トチの木(マロニエ)の実を使って簡単に石鹸を作ることが出来ます。
手作りであることに加えて、他の使用用途がないどんぐりやトチの実*を使っているため、環境にも優しいといえるでしょう。
*ドイツには食べられないトチの実が落ちています
一般に家庭用油の廃棄物を使って石鹸を作ることは知られていますが、これはかなり危険です。まず、油を石鹸に変えるためには苛性ソーダを使うのですが、苛性ソーダは劇物です。
肌に触れると、皮膚のたんぱく質が溶かされて、やけどのような症状になります。目まわりに苛性ソーダが飛ぶと、濃度によっては失明します。子どもが関係するような事故例も実際にあります。
小学校において石けんをつくる実験の際、児童がうっかりか性ソーダを手でつかんだので皮ふがおかされヒリヒリした。急いで水で洗ったがすでに遅く、手を負傷した。
引用元:日本ソーダ工業会『安全なか性ソーダの取扱い』、p. 22
危険性という点では、トチの実やどんぐりを使った石鹸づくりでは問題ありません。そのため、安心して家で子どもと一緒に石鹸づくりができます。*1
準備段階
トチの実を拾う
まずはトチの実(以下、どんぐりでも同じ手順を踏みます)を拾ってきます。
トチの実を洗う
拾ってきた実は、砂がついているために、きれいに洗います。
調理段階
皮をむいて細かくする
皮は必要ないので、剥きますが、そのままでは剥きづらいので、まずは4等分にして、順番に皮を剥いていきます。
剥き終わったら、適当に細かく切っていきます。ミキサーがあれば、ミキサーで粉状まで細かくしてもかまいません。そして細かく切り終わったら、次に瓶に入れます。
常温で寝かせる
そして瓶に水を入れて蓋をして、8時間ほど寝かせます。
水を入れると数分で、すでに灰汁が浮いてきているのがわかります。
完成
すると、トチの実の灰汁が染み出た石鹸水が出来ます。
注意点
気を付けるべきことはこの石鹸水の保管の仕方です。
常温で長く置いておくと、発酵してしまい匂いが出てきます。そのため、「冷蔵庫に入れておく」+「一度には大量に作らない」ことをおススメします。
実際に使ってみた
手洗い用
手を洗うためであれば、そのまま瓶から水を出して使います。
洗濯用
選択用に使う場合、石鹸水をざるに一度通して、トチの実の粉を濾過しましょう。そして濾過した石鹸水を、洗濯機に洗剤を入れるように投入します。
感想:灰汁石鹸はあくまで補助的に使う
洗剤と比べると、汚れを落とす力は弱いので、基本的には手洗い用に向いているといえるでしょう。洗濯機では、泡が余りたたなかったので、洗剤を追加しました。ただし追加投入の洗剤は少なめで済みました。
灰汁を作るのも手間がかかるので、「灰汁洗剤があれば使う」ぐらいの気軽さで、補助的に使っていくことをおススメします。
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*1:もちろん飲んだりしたらダメで、普通の固形石鹸と同じ使い方をしている限り安全ということです