元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

楽しく勉強したいときに使える、風変りなドイツ語辞書まとめ

ドイツ語辞書は、知らないドイツ語単語の意味を調べる場合に使うのは普通です。そのため、「辞書」=「単語の意味を調べるもの」という感覚が染みついています。

しかし、辞書の使い方はそれだけではありません。

辞書の使い方を少し工夫するだけで楽しくドイツ語が勉強できます。ここでは、少し特殊な辞書を使うことで楽しく語彙力を増やす方法についてご紹介していきます。

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辞書の3つの使い方

辞書の使用目的は主に

  1. 単語の意味を調べる
  2. 単語帳として使う
  3. 読み物として使う

の3つが考えられます。

1つ目の使い方は普通の使い方です。そうした使い方をする場合におススメの辞書については以下の記事で紹介しております。

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また2つ目に挙げたように、辞書は単語を効率的に暗記するための道具としても使えます。このことについては以下の記事で詳しく書いております。

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この記事で紹介したいのは、三つ目の使い方、つまり「読み物として」辞書を上手に使う方法です。

読み物として使える辞書は限られている

では読み物として辞書を使うとはどういうことでしょうか?

それは、語源や慣用句を集めた特殊な辞書を読んでみるということです。

こうした辞書は一つ一つの項目についての説明が一つのまとまったストーリーになっており、読んでいても飽きません。

例えば、

  • 一つの単語がどのようにして時代とともに変化してきたのか?
  • ある慣用句が生まれた背景にはどのようなエピソードが隠れているのか?

ということが書いてあります。

単語の意味のように無味乾燥したものの羅列ではありません。

これらは、ドイツ語を学習する上で直接必要となる知識ではありませんが、知っていると楽しくなるような豆知識です。つまり、楽しくドイツ語を勉強できるということです。

例えば「etwas ausbaden müssen」という表現があります。文字通りの意味は「風呂場の水を出す」ですが、そこから転じて「他人のしたことの後始末をする」という意味となっています。これは、後期中世の公共の風呂場で行われていた慣習から生まれたものです。当時、風呂場に来たその日の最後の客が、その日使われた浴槽の汚れた水を全部抜き、浴槽を掃除をしなくてはならなかったのです。*1

こうした事情を知っていれば、この慣用句が念頭においている風景もすぐに頭に思い浮かぶでしょう。

ただ、読み物として使える辞書はそれほど多くはなく、ここでおススメしたいのはDUDEN社の語源辞典と慣用句辞典です。

おススメの語源辞典

おススメの慣用句辞典

こうした辞典は、ドイツの子どもにも人気があり、版を重ねています。理由は単純で、読んでいて面白いからです。

単純な文法や単語の暗記に飽きた人にとって、ちょっと変わった勉強法は語学勉強のモチベーション維持に役立つのではないでしょうか。

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