元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

新下駄配列のススメ—新しい日本語キーボード配列を求めて

仕事の効率を高めるためにはどうすればいいのかとよく考えてきました。

その過程でたどり着いた一つの結論が、思考と成果物の間にあるプロセスの無駄を削る必要があるということです。そのために、思考と成果物の間にあるインタフェースを改善することが重要になります。例えばキーボードの文字配列がそのようなインターフェースに当たります。

文字配列遍歴①:Querty→親指シフト

私は大学の学部時代から何の疑問もなくQuerty配列を使ってきました。(高校時代はPCはありませんでした)しかし3年前にキー配列の重要性に気づき二コラ配列(以下、親指シフト)に転向しました。一つのひらがなを打つのにQuertyではたいてい二つ以上のキーを連続で押す必要がある一方で、親指シフトの場合は一打鍵で一文字を表現できます。例えば「さ」を入力するためには「s」と「a」を押す必要があります。それを一打鍵でできれば、打鍵の効率性をあげられるはずと思いました。

ただ最近になって、親指シフトがそれほど効率的であるのか疑問をもつようになりました。

確かに一文字を一打鍵で表現できるというのは、効率性という点では魅力的です。このコンセプトはいいのですが、親指シフトの文字配列自体は必ずしも合理的ではないと気が付きました。というのも、実際に日本語の文章を打ってみて、連続でひらがなを打ちにくいこともしばしばあったりして最終的には、入力速度はそれほど速くなりませんでした。

また親指シフトからの転向のもう一つの理由は、親指シフトはキーボードを選ぶという点です。

親指シフトの最大の難点は、スペースキーの両側に「無変換」と「変換」というキーが存在していないとダメで、またこの「無変換」と「変換」のキーを親指で押しながら他のキーを押すことで、いろいろなひらがなを出力できるので親指シフトと呼ばれているのですが、この「無変換」と「変換」の位置によって親指シフトの快適さが決定されます。「無変換」と「変換」キーが存在しない欧米配列のキーボードでは全く機能しません。

こうしたキーボードの物理的な制約から逃れれば、キーボード選びもしくはノートパソコン選びの自由度が高まることになります。

文字配列遍歴②:親指シフト→新下駄配列

そこで、他にもいい配列があるか探したところ、習得の難易度は高いが一度取得するとかなり速く打鍵ができる新下駄配列という配列に行き当たりました。

ただこの新下駄配列はかなり難易度が高いといえます。しかし何とかなるもので頑張れば習得できます。

ここでは私の学習過程を簡単に紹介していきます。

だいたい一週間ぐらいは私はこのサイト(リンク:13日間新下駄配列マスターコース 第1日(スロースタート) | お泊まり恋愛詩)を使って毎日練習していきました。練習内容は、ひたすら、練習ドリルのように文字を打っていきます。

練習時間は平日は夜の1時間ぐらいを当て、週末は時間を見つけながら一日2時間ぐらい練習しました。全部の配列を大体覚え終わるまでに2週間ぐらいかかりました。

今は新下駄配列を使い始めてから3ヶ月ぐらい経ちますが、配列図を見ずにある程度の速度で打つことができています。体感としては親指シフトの1.5倍ぐらいの速さで打てていると思います。もう少し慣れてきて、打ち間違いがなくなると、体感レベルで親指シフトの2倍ぐらいの速さになるのではないかと思っています。

ただ人によってどの配列が自分に適してるのかは異なってきます。

新下駄配列の場合も特にキーボードに手を置いた時に小指にあたる部分よりも一つ外側のキーを小指で押さないといけない文字(「P」の右に配列されている「げ」)がありますが、これをブラインドタッチで押そうとすると、いちいちキーボードを見ないといけませんでした。ですので少しキーの配列を変えました。

具体的には

  • 「げ」を「、」の位置に
  • 「ー」を「。」の位置に

変更しました。

他にも拗音等あまり使わない連続音も、わかりやすい位置に移しました。

使用しているソフトはYamabukiで、Yamabukiでのキー配置はEaseUs EverySyncとPcloudを使って2つのパソコンの間を常時シンクロさせています。

個人的にはもっと早く新下駄配列を勉強しておけばよかったと思うぐらい大満足です。確かに新しい配列を勉強する初期投資は確かに高いです。最初はキーの配置がわからずフラストレーションがたまります。しかし、所詮は指の動きですので自転車に乗るのと同じで、いつか慣れます。そして慣れてくると、投資した時間は取り戻せるほどキータイピングが効率的になります。

ですので是非とも挑戦してみてください。自作キーボードなり、キーボードにこだわるのも必要ですが、配列を工夫すればそれ以上の効果が期待できます。

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