元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

【仕事場の照明】照明を工夫して仕事の生産性を上げよう!

照明はただ明るければいいと思っていませんか?

私はずっとそう思っていました。そのため、照明には安くて、見た目がなんとなくいいデスクライトを使っていました。

しかし最近は、照明を工夫することで仕事の生産性や生活の質を大幅に向上させることができるということに気づき、それ以来、「照明」を意識するようになりました。

ここでは特に仕事場を念頭において、照明の選び方や配置の際の注意点をまとめていきます。

重要点①:照明の暖かさ

色の温度は様々です。オレンジっぽい暖かい色もあれば、白くて冷たく感じられる色もあります。こうした色の温度はケルビン(色温度)という単位で測ることができます。

低ければ低いほど(下の図では左に行けば行くほど)オレンジ色に近く、高ければ高いほど白くなります。

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普通、照明の色は大体2500Kから6000Kぐらいの間にあります*1

ではどのような色が仕事をする上で最適なのでしょうか?

重要になるのが、太陽です。朝の太陽はオレンジ色、昼の太陽は白色、そして夕方の太陽はまたオレンジ色になります。

人間の体のリズムも、これに合わせて出来ています。つまり、人間にとって昼は活動する時間帯ですので昼の太陽のように白色に近い光を浴びると集中力が高まり、夕方は一日の作業を終える時間帯なので、夕方の太陽のようにオレンジ色の光を浴びるとリラックスした気分になります。

そのため私は、基本は午前中から15時頃までは白っぽい光(=高いケルビン値の光)、具体的には6500Kのかなり白っぽい照明を使い、それ以降は仕事時間の終わりに近づくため、3000ケルビン台まで落としてアクセントをつけています。

ただしここで注意しないといけないのは、白色に近い光は集中力を高めるのですがどちらかというと単純作業に向いてるということです。他方でオレンジ色の光はリラックスすると同時に、新しい発想が出てきやすくなります。そのためクリエイティブな仕事内容に取り組むときに向いています。

そのため、時間に合わせて照明の暖かさを変えるのと同時に、仕事の内容によっても照明を調整しています。そのために一番いいのは、ケルビン値を変えれるような照明をつけることですが、そうした照明は値段が高いので私はLED用の色温度変換フィルムを使っています。

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このフィルムを実際に照明にかぶせるのですが、うまくかぶせられるように、写真のように丸く筒状にして紐でしばるようにしました。

重要点②:照明の明るさ

次のポイントは照明の明るさです。

これはルックスという単位*2をもとにして測ります。これが低ければ薄暗く、高ければ明るくなります。

仕事場で必要なルックス値は大体、最低で500、特に細かな作業が必要なときは1500ほどです。

安い照明ほどランプの出力が低かったり、ランプの光源数が少ないので、このルックス値が低くなる傾向にあります。このルックスが低ければ、目が疲れるため、不十分な明るさしか出せない照明は生産性を落とす元です。そのため、私は35cmの距離で3000ルックス程となる照明を使っています。

明るさに関してもう一つ注意しなければならないのは、部屋全体の明るさです。

作業してる場所だけ明るくても部屋全体が暗いと、ふとした時に目を周りの環境に向けた時に目がその暗さに慣れようとするため目が疲れてしまいます。そのため部屋全体にもある程度の明るさが必要となります。

ですので、明るさのムラが生じないように、部屋全体向けの照明と作業場を照らす照明の最低2つは必要です。

私の場合、天井の照明は、オレンジ色の、それほど明るくない照明ですが、机に備え付けの照明はLEDが90個ついておりかなり明るめの光を出します。

そうした観点からは、照明うんぬんの前に、自然光が入る場所に机を置くようにできればベストです。外の光は、人工の照明よりもはるかに明るいからです。

重要点③:照明の配置

どこに照明を置くかによっても仕事の生産性が変わってきます。

やってはいけないは、机上に置いたデスクライトがパソコンのモニターに反射してまぶしくなってしまうということです。多くのデスクライトは目よりも少し高い位置にあるため、こうしたことが起きてしまいます。

これを防ぐためには、ある程度高い位置から机を照らす必要があります。

また照明の光が直接目に入るとこれもまた眩しくなってしまいますので、照明はなるべく頭上あたりに配置しましょう。昼の太陽は頭の上から降り注ぎます。同じように照明を配置することで日中の太陽の光を模すことにもなります。

私の場合、照明はなるべく頭、やや後ろの位置から、かつ高い位置から光が出るようにしています。机から照明までの高さは76cmですので、縦にしたモニターの更に上に明かりがあり、モニターからの反射光でまぶしくなることもありません。

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この位置からだと照明を全く意識することがなく、照明を消し忘れることもしばしばです。

(ちなみに使用している照明はドイツ製のMaul LED-Tischleuchte craft、値段は1万5000円ほど)

個人的には、照明の位置の高さを確保するため、机の上に置くタイプではなく、机の端に挟んで固定するタイプをおすすめします。

また手元を明るくするために、右利きなら左側から明かりが、左利きなら右側から明かりがくるようにしましょう。

まとめ

特に冬場の家の中は暗くなりがちで、生産性が落ちやすくなります。そのため、是非照明を工夫して、生産性を維持・向上させましょう。

照明の大切さと照明の使いこなし方については以下の本も是非参考にしてみて下さい。

 

*1:Wie Lichtfarben die Büroarbeit beeinflussen | Preislicht Bürolampen

*2:照らされた部分の明るさ。光源自体の明るさはルーメンという単位で計測