元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

ドイツに「秋」がないと考える1つの理由

「日本にしか四季はない」、「海外では日本ほど四季が鮮明ではない」という外国観が日本の一部では聞かれます。

このステレオタイプに対して、「何バカなこと言ってるんだ、他の国にもきれいな四季はある」という反論も見られます。

確かに「日本にしか(明確に区分された)四季はない」という話しは、日本の外の事情を知らない人の思い込み以外の何ものでもありません。

ただ、ドイツに関しては、春は花が咲きほこり綺麗なのですが、日本人(私?)の考えるような「秋」は存在しません。夏の後に冬が来るイメージです。

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過労自殺の3つの原因と、会社に追い込まれないための1つの防衛策

日本で過労自殺する人は年間2000-3000人にものぼります。そのほとんどが被雇用者、つまり会社員です。*1

死ぬということは、本当に人生の終わりを意味しています。しかしそれでも、死を選ばなければならないということは、よっぽど追い詰められて、目の前の仕事/会社に命を懸けてまで踏みとどまらなくてはならないと思い込んでいるからです。

まずは過労自殺の原因を探り、それを踏まえて、過労自殺にまで追い込まれないための方法を会社員としての視点から見ていきます。

*1:参照記事:平成28年版過労死等防止対策白書 p. 19、21

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【環境にやさしい】トチの実・どんぐりの灰汁を使って簡単にできる液体石鹸の作り方

秋になったら、いたるところに落ちているどんぐりや西洋トチの木(マロニエ)の実を使って簡単に石鹸を作ることが出来ます。

手作りであることに加えて、他の使用用途がないどんぐりやトチの実*を使っているため、環境にも優しいといえるでしょう。

*ドイツには食べられないトチの実が落ちています

一般に家庭用油の廃棄物を使って石鹸を作ることは知られていますが、これはかなり危険です。まず、油を石鹸に変えるためには苛性ソーダを使うのですが、苛性ソーダは劇物です。

肌に触れると、皮膚のたんぱく質が溶かされて、やけどのような症状になります。目まわりに苛性ソーダが飛ぶと、濃度によっては失明します。子どもが関係するような事故例も実際にあります。

小学校において石けんをつくる実験の際、児童がうっかりか性ソーダを手でつかんだので皮ふがおかされヒリヒリした。急いで水で洗ったがすでに遅く、手を負傷した。

引用元:日本ソーダ工業会『安全なか性ソーダの取扱い』、p. 22

危険性という点では、トチの実やどんぐりを使った石鹸づくりでは問題ありません。そのため、安心して家で子どもと一緒に石鹸づくりができます。*1

*1:もちろん飲んだりしたらダメで、普通の固形石鹸と同じ使い方をしている限り安全ということです

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ドイツ語化した日本語。ドイツ人が関心を持つ「日本」とは何か?

日本語になったドイツ語は多数あります。

例えばアルバイト(=労働)、カルテ(=カード)、ゲレンデ(=敷地)etc.が挙げられます。

*カッコ内はドイツ語での意味

あまり紹介されることはありませんが、それとは反対にドイツ語の語彙になった日本語もあります。

伝統的には、スシ、ゲイシャ、ニンジャ、サムライ、ジュウドウ、ハラキリ、ヤクザ、サケ、ボンサイというような単語があります。

しかし、近年この伝統的なグループとは別に、新たにドイツ語として一般的に通用する、もしくは使われ始めている日本語のグループが現れてきました。

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