元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

仕事術-研究生活

より効率的に研究するためのEndnoteの使い方・使いこなし方

文献の管理や論文への注の挿入のためにEndnoteを使っている人は多いと思います。私ももう10年近くEndnoteを使っています。 しかし最近までは、Endnoteを全然使いこなせていませんでした。というのも主に、文献をOPACから自動で取り込み、手動で少し修正し、…

博士号だけではドイツの大学で生き残れない!?教授資格論文とは?

日本では、博士号を取得すれば任期のないポストに就くための資格が揃ったことになります*1。そのため博士号の後は、助教→講師→准教授→教授と昇進していくか、少なくとも、安定したポジションに留まることができます。しかしドイツでは、基本的には、博士号だ…

【自著紹介】『市民性と日本の軍国主義-1937年から1940年における言説と、政治的意思決定過程へのその影響』

2019年11月にドイツ語でMilitarismus des Zivilen in Japan 1937–1940: Diskurse und ihre Auswirkungen auf politische Entscheidungsprozesse, (Reihe zur Geschichte Asiens; Bd. 19), München: Iudicium Verlag 2019(日本語:『市民性と日本の軍国主義-…

人文科学の論文を英語ではなくあえて日本語で書く理由

自然科学や社会科学では、英語論文を権威のある国際ジャーナルに投稿することが高く評価されます。そうした評価の観点を文系の研究業績にそのまま当てはめて、 「日本語ばかりで研究発表している人文科学系は遅れている」 「人文科学も英語で研究発表しなけ…

なぜ外国の歴史を勉強するのか?歴史家が考える4つの意義

学校でも大学でも遠い外国の歴史を勉強することがありますが、 そのように地理的にも時間的にも離れた地域の話をどうして勉強しなければならないのか? と疑問に思ったことはありませんか? 外国史を扱う歴史家も、 「どうして、そんなことを研究してるの?…

【体験談】博士論文を2年以内に提出するための具体的方法

私はドイツの大学で博士論文(歴史系分野)を提出しましたが、合計で1年11か月を要しました。 博士論文提出後にも口頭試験や、国によっては出版*1という条件をクリアして初めて博士号が授与されますが、一番の難関は論文を執筆することです。ここで10年費や…

留学に人生を振り回される文系研究者たち

地域研究をしている場合、その地域への留学は研究者人生においてほぼ義務です。 ただ、留学期間や形態は個々人の事情によって異なっています。 史料を収拾するために海外の大学に籍を置いて、日本に帰ってから日本の大学で論文を提出する場合もあれば、その…

フォン・リヒトホーフェンの墓標を訪ねて-「レッドバロン」と呼ばれた撃墜王

第一次世界大戦において、参戦国の中で最大の撃墜数を誇った飛行機乗り、フォン・リヒトホーフェン(Manfred von Richthofen)のお墓がドイツ・ヴィースバーデンにあります。

『ヒトラーの共犯者』所収の解説論文について

12月16日に発売されます『ヒトラーの共犯者』の解説論文「解説 グイド・クノップと歴史学―非歴史家による歴史叙述との向き合い方に関する試論」を下巻の末尾に執筆しております。

【著作リスト】本も出版しています

私が関わった書物のうち、すでに刊行されている著作の一覧です。

『ルーデンドルフ 総力戦』出版記念―目次+本書の意義の紹介

このたび単著『ルーデンドルフ 総力戦』原書房、2015年を出版いたしました。 ここでは本書の目次とその意義を紹介しております。是非、お手に取ってご覧頂ければと思います。