元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

【キラキラネーム】ドイツ語っぽい名前を赤ちゃんに付けると恥をかく理由

ドイツ語の言葉の響きがかっこいいから、ドイツ語っぽい名前(以下、姓名の内、「名」の意)を子どもに付ける人がいます。

例えば

  • リヒト(Licht:光)→例:理人
  • ハルト(hart:堅い)→例:春人
  • アイネ(Eine:一つ)→例:愛音
  • マハト(Macht:力・権力)→例:真羽人

といった名前です。他の漢字で当てることもできます。

ここでは、ドイツ語の人名用の名前(ヨハネス、トーマス、ミヒャエルetc.)を当て字にした場合ではなく、響きがかっこいいという単純な理由から、ドイツ人ならありえないような名前を付ける場合を念頭においています。

こうしたキラキラネームはドイツ語の感覚を全く無視したものです。というのも、日本とドイツの名づけ文化には違いがあるからです。キラキラネームを付けることは、自分の無知ぶりをさらけ出していることと等しいのです。

では、なぜ(ドイツ人の名前ではなく)こうしたドイツ語っぽい名前がDQNネームでしかないのかについて、日本とドイツの名づけ文化を考察しながら説明していきたいと思います。

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【体験者が語る】事前に知っておきたい国際結婚の良い点、悪い点

さて、日本人同士の結婚と比べて、国際結婚をしていると日常生活においてどのような違いがあるのでしょうか?

多くの場合、国際結婚であろうと、「国際結婚」自体のメリットを目当てに結婚するのではなく、相手の個性に魅かれて2人の人間が結びつくことが大切です。ですので、相手との相性がよければ、国籍や文化はあまり気にしなくてもよいと考えます。

しかし国際結婚においては、たとえ国籍・滞在許可取得や、言語習得のスピードが上がるという実益的な面から結婚していなくとも、2人の文化的・言語的背景の違いから、メリットやデメリットが表れてきます。

ここで挙げるメリットやデメリットは、多かれ少なかれ、日本人同士のカップルにも見られることなのですが、国際結婚の場合、そうしたメリット・デメリットがより強烈な形で表れてきます。

そのため、ここでは私の体験を踏まえながら、国際結婚にオプショナルでついてくるメリット・デメリットを挙げていきます。

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ホームステイ受け入れ先で私が体験した居心地の悪さ

オーストリア・ウィーンで2週間ほどホームステイを体験したことがあります。その際、トラブルに近いことがありました。

役所同士のプログラムで文化交流をする機会があり、それに応募してホームステイすることができました。こうした経緯でホームステイしたため、ステイ先の選定は全く運任せで、決まった後で連絡をうけました。

代理店を使ったわけでもないため、その点は仕方ないとして、事前に知っている情報は、

  • 私のホストファミリーは受け入れが初めて
  • 家族構成

という、2点だけでした。一応、出発する何週間か前くらいにメールを送ったのですが、なしのつぶて・・・

不安のまま飛行機に乗り込みました。

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ドイツに「秋」がないと考える1つの理由

「日本にしか四季はない」、「海外では日本ほど四季が鮮明ではない」という外国観が日本の一部では聞かれます。

このステレオタイプに対して、「何バカなこと言ってるんだ、他の国にもきれいな四季はある」という反論も見られます。

確かに「日本にしか(明確に区分された)四季はない」という話しは、日本の外の事情を知らない人の思い込み以外の何ものでもありません。

ただ、ドイツに関しては、春は花が咲きほこり綺麗なのですが、日本人(私?)の考えるような「秋」は存在しません。夏の後に冬が来るイメージです。

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【環境にやさしい】トチの実・どんぐりの灰汁を使って簡単にできる液体石鹸の作り方

秋になったら、いたるところに落ちているどんぐりや西洋トチの木(マロニエ)の実を使って簡単に石鹸を作ることが出来ます。

手作りであることに加えて、他の使用用途がないどんぐりやトチの実*を使っているため、環境にも優しいといえるでしょう。

*ドイツには食べられないトチの実が落ちています

一般に家庭用油の廃棄物を使って石鹸を作ることは知られていますが、これはかなり危険です。まず、油を石鹸に変えるためには苛性ソーダを使うのですが、苛性ソーダは劇物です。

肌に触れると、皮膚のたんぱく質が溶かされて、やけどのような症状になります。目まわりに苛性ソーダが飛ぶと、濃度によっては失明します。子どもが関係するような事故例も実際にあります。

小学校において石けんをつくる実験の際、児童がうっかりか性ソーダを手でつかんだので皮ふがおかされヒリヒリした。急いで水で洗ったがすでに遅く、手を負傷した。

引用元:日本ソーダ工業会『安全なか性ソーダの取扱い』、p. 22

危険性という点では、トチの実やどんぐりを使った石鹸づくりでは問題ありません。そのため、安心して家で子どもと一緒に石鹸づくりができます。*1

*1:もちろん飲んだりしたらダメで、普通の固形石鹸と同じ使い方をしている限り安全ということです

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