元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

年功序列型思考が間違っている2つの理由

30過ぎると顔に責任を持てということをどこかで聞いたことがあります。

見てくれについて、30歳ぐらいまでは遺伝の要因が大きく個人の意思ではどうしようもないが、それ以降は、どのように人生を生きてきたのかが顔に表れてくるためどのような顔をしているのかに対しては責任が伴うというものです。

これ自体の真偽はさておいて、どのように生きてきたのかということを重視している点には共感できます。

私自身、「どれだけの年月(How long)を生きたのか」(=年功序列型思考)ではなく、「どのように(How)生きたのか」が重要と考えているからです。

その理由を、

  1. 人の能力形成において生き様が重要であるという積極的事実
  2. 年を取るにつれ年齢はその重要性を失うという消極的事実

の2つの点から説明していきたいと思います。

*以下、私の個人的な意見です

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在ドイツ企業に採用されるための履歴書・カバーレターの書き方

海外で企業の空きポストに応募する場合、応募書類の書き方に関して日本とは異なることから戸惑うかもしれません。

ただ、「海外」での就職・転職活動といっても、それぞれの国によって要求されることが異なるため一括りにして論じることはできません。ですので、「海外で通用する履歴書の書き方」といった一般的な記事は参考程度に読み流した方がいいでしょう。必ずそれぞれの国での作法を確認してください。

他の国にも一部で通用することがあるかもしれませんが、ここではドイツの企業に直接応募する場合に必要とされる2つの応募書類

  • カバーレター
  • 履歴書/CV(Curriculum Vitae)/レジュメ

の書き方のコツを説明します。

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「人生のレールから外れて生きよ」というアドバイスが無責任な理由

サラリーマンや士業*・自営業者のような踏み慣らされた道をたどる人生に対して、逆説的に「レールを外れて生きよ」というようなアドバイスがなされることがあります。具体的にはそれは起業やノマド・フリーランサーという道であったりします。

*弁護士、税理士というような「~士」の資格を必要とする職業

日常の仕事に追われて自由がないと感じている人や、平凡な生活は嫌だと考えている就職前の人にとっては、「自由に生きる」という言葉は魅力的に聞こえるかもしれません。

しかし、「レールから外れて人生を生きよ」という、一部の人にとってもっともらしく聞こえるアドバイスは、果たして「レールの上に留まる人生」よりもいいものなのでしょうか?

ここでは、「レールを外れる」ことのリスクとそれが見落とされる原因を突き止めることで、「レールを外れる」ことが真に意味していることを明らかにできればと思います。このことを考えずにアドバイスすることは、夢ならぬ悪夢の道を勧めることにもなります。

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【人生の岐路で迷ったらどうする?】合理的な選択を下すための1つの方法

「今後の人生が変わってしまうんじゃないか」と前もって感じるような決断をしなければならない瞬間が人生にはあります。そのような瞬間として例えば、学業進路や職業の選択、居住地の変更、結婚・離婚といった重大な決断が挙げられます

そのような状況を念頭においた、「後悔しないような人生の選択をしよう・したい」といった表現を見聞きします。しかし後悔しない選択など人生にありえるのでしょうか?

もし何をしても後悔する可能性があるとすると、ではどのように意思決定をすればいいのでしょうか?

以下、個人的な体験を基にして書いております。

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【学術論文から一般向け文章まで】タイトル付けの2つの極意

文章のタイトルをつけるとき、どうやって考えていますか?もしかして、チェックリストや感覚のみに頼ってつけてませんか?

どんな文章であれ、タイトル/表題/題名(以下、タイトル)をつける際にはテクニックが必要です。ここでは、タイトルとは一体何なのかということから遡ることで、アカデミックな論文から一般書籍、ブログにまで、どんな文章にも使える、タイトルの付け方のコツをお教えできればと思います。

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