自然科学や社会科学では、英語論文を権威のある国際ジャーナルに投稿することが高く評価されます。そうした評価の観点を文系の研究業績にそのまま当てはめて、
- 「日本語ばかりで研究発表している人文科学系は遅れている」
- 「人文科学も英語で研究発表しなければ意味がない」
と批判をする人もいます。
しかしそれは、研究分野の本質的特徴の違いを無視した主張です。
ここでは、人文科学の業績が現在どのように評価されるかという現状を紹介するのではなく、人文科学の在り方という観点から、「日本語*1で人文科学の論文を書くことの意義とは何か?」について論じたいと思います。
*1:同じ議論は、日本語以外のマイナー言語にも当てはまります