学校でも大学でも遠い外国の歴史を勉強することがありますが、
と疑問に思ったことはありませんか?
外国史を扱う歴史家も、
- 「どうして、そんなことを研究してるの?」
- 「そんなことを研究して、どんな(現代的)意味があるの?」
という質問を受けることがあります。
そうした疑問を抱くことは当然でしょう。遠い異国の過去の話しなど、自分には関係ないように思えるからです。
「海外の歴史は教養のためだから」という一言で片づける人もいるかもしれませんが、「教養」という言葉はあまりにも曖昧です。そのため、ここでは「教養」という言葉を使うことなく、上記のような素朴な疑問に答えるため、「遠い国の過去の物語り」を勉強することの意義について、私がこれまでの学問生活の中で考えてきた一つの説明を提示したいと思います。
*以下では、国単位で説明していますが、これは説明を簡単にするためです。以下の説明は、「国」という言葉を別の言葉におきかえていただければ、一国史という枠に縛られない研究にも当てはまります
**以下ではあくまでも理念型を説明しています
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