元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

【完全ガイド】オススメ経済ビジネスドラマ/映画はこれを見ればわかる!

*2019/11/17更新

ここ数年に見た経済・ビジネス関連のドラマ・映画のうち大人でも楽しめるものをまとめています。
『半沢直樹』のような勧善懲悪のドラマや『下町ロケット』のような新規事業の立案といったビジネスマン向けのドラマから恋愛・コメディ系まで、経済・ビジネス系であれば網羅的に挙げておりますので是非、次のドラマ・映画選びに参考にしてください。

*各作品に点数もつけています。なお、A、B、C、D評価でAを「最高」としています。

ビジネスの世界

あ行

隠蔽指令

主演:高橋克典
評価:B
コメント:
銀行・サスペンス
銀行と政治をめぐっての銀行内の人事をめぐるどろどろとした話。いい方向にも悪い方向にも人がどうやって変わっていくのかをうまく描いている。
天野(高橋克典)と地村(髙嶋政宏)の友情には心を打たれました。

(DVDがなかったので原作を貼り付けておきました。ごめんなさい)

黄金の豚

主演:篠原涼子
評価:C
コメント:
官僚・不正暴きもの
会計検査院の調査官の話。税金の不正使用を暴く姿が壮観。どちらかというと官僚と政治家の話が多いです。
ただし、事件の解決にやや無理やり観のあるエピソードも。

 

か行

株価暴落

主演:織田裕二
評価:B
コメント:
銀行・サスペンスもの
銀行とその融資をめぐる話。主人公のライバルの二戸哲也(高嶋政伸)の役回りが典型的な悪役で、エリート感にあふれすぎ。やりすぎとは思うものの、それ以外の銀行内のやり取りは半沢直樹並みに面白い。

華麗なる一族 (2007年版)

主演:木村拓哉、鈴木京香、長谷川京子
評価:B
コメント:
経営・銀行サスペンスもの
万俵財閥を支配する一族のどろどろとした家族ドラマ。家族内の因縁が、銀行再編という波と重なり、最後は悲劇へとつながっていく。ドラマよりも小説のほうがサスペンス感がありおすすめ。

監査法人

主演:塚本高史
評価:B
コメント:
経済・サスペンスもの
監査業務の有り方を問うドラマ。
監査法人内の働き方のブラックぶりがよく表されている。

官僚たちの夏

主演:佐藤浩市
評価:A
コメント:
官僚・熱血もの
日本の戦後経済の発展にむけての官僚たちの熱い思いが伝わってきます。思わず官僚になりたくなります。堺雅人も半沢と同様熱い演技です。

経世済民の男

主演:オダギリジョー、阿部サダヲ、吉田鋼太郎
評価:B
コメント:
経済史もの
高橋是清・小林一三(阪急や東宝、宝塚の創始者)・松永安左ェ門(戦後の電力改革の推進者)を各エピソードで描かれています。面白いのはそれぞれ全く違う三人三様の人生を描いていることです。個人的には小林一三の人間味に一番親近感がわきました。

限界集落株式会社

主演:反町隆史、谷原章介
評価:B
コメント:
地域復興もの
東京から電車で5時間かかる僻地の農村に経営コンサルタントが現れ、農業で地域を復興させようとする話し。
株式会社設立によって村を一つの会社にしたり、有機栽培や古い品種の栽培に集中することでようやく販売が上向いてきたときに、ふとした不注意から殺虫剤を使ってしまうという食品偽装スキャンダルが起きる。
人は村から出ていき、野菜は出荷価格が低すぎて生産調整しなければならないという苦境を何とか脱却しようとする人間の必至な姿に共感できる。また農業の可能性にも気付かされる。

極悪がんぼ

主演:尾野真千子、名桔平、三浦翔平、仲里依紗、竹内力、板尾創路
評価:A
コメント:
闇社会もの
原作が漫画だけあって、ネーミングのとぼけたものが多く最初は違和感を覚えたが、見ていくうちに、展開のスリリングさに引き込まれていく。内容は、夜逃げやら取り立てやらを請け負う事件屋という仕事をすることになった女性を中心にして展開していく。この事件屋は経営コンサルタントを名乗っているが、コンサルタントとはこれほど解釈の広い職業なのか。ちなみに私もコンサルでしたが、この闇コンサルとは別のコンサルです。

 

さ行

再生巨流

主演:渡部篤郎
評価:A
コメント:
新規事業・熱血もの
新規事業立ち上げの躍動感が伝わってきます。誰もやっていないことに挑戦するのは楽しそうですね。
やる気がでるので、ビジネスマンにはおすすめ。

サラリーマン金太郎

主演:永井大
評価:B
コメント:
熱血サラリーマンもの
暴走族のリーダーをやっていたけんか無敵の主人公が偶然知り合った建設会社の会長のつてでサラリーマン人生を始める話。いい意味で常識を打ちこわし、熱血に突き進んでいく姿は爽快。

沈まぬ太陽(ドラマ版)

主演:上川隆也
評価:A
コメント:
1960-1980年代の日本航空をモデルとした会社を舞台にした労組の戦い。偶然から労組の委員長となった主人公は、これまでの慣れ合いの体質を変え真剣に労働条件の改善に努める。しかし2年間の戦いの後主人公を待っていたのは、会社からのいやがらせ人事であった。
第一部は海外が中心で僻地駐在員としての主人公の感情の浮き沈みとともに、空の安全よりも保身しか考えない会社の体質も嫌と言うほどがうまく描かれている。

下町ロケット

主演:阿部寛
評価:B
コメント:
小さいが、大手にも負けない研究開発力を誇る下町の工場が、大企業を相手にロケット部品や心臓への医療機器部品の導入に奮闘するドラマ。

『半沢直樹』と同様、悪役がはっきりとしているので、彼らがやり込められる様は快感。

しんがり 山一證券 最後の12人

主演:江口洋介、萩原聖人
評価:B
コメント:
1990年代後半に日本を震撼させた、山一証券の破たんの裏で、最後まで、山一のために不正を解明しようとした男たち(秘書女性1名)の話し。

組織の論理がどれだけ人間を不正に追い込むのかがうまく描かれている。

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銭の戦争

主演:草彅剛、大島優子、木村文乃、渡部篤郎
評価:A
コメント:
金をめぐる愛憎に満ちた人間ドラマ。
エリート外資証券マンが親の借金から地獄を見るが金貸しとして這い上がり復讐を行う。
怒りから復讐を企む顔と人に見える平穏な顔の二面性をもつ主人公を演じ切る草彅の名演技が映える。韓国ドラマのリメイクとあって、ハラハラドキドキの展開が数多く仕組まれている。金に狂う姿を演じる助演男優・渡部の演技も見物。

空飛ぶタイヤ

主演:仲村トオル
評価:B
コメント:
戦う中小企業もの
中小の運送会社の社長が大企業の「ホープ(三菱?)自動車」を相手にリコール問題の責任をめぐって争う姿を描いている。
下町ロケットと同じように中小企業が大企業に立ち向かうという構図かつ勧善懲悪型なので、下町ロケットに興味のある方は是非おすすめです。

 

た行

太陽の罠

主役:西島隆弘
評価:B
コメント:
経済犯罪サスペンスもの
太陽光パネルの特許をめぐってブローカー(マフィア)(塚本高史)がしかける罠に普通のサラリーマン(西島隆弘)が巻き込まれていく悲劇。
主人公が罠にはめられていく姿がかわいそうすぎて、つい引き込まれて一気に見てしまいました。

チェイス〜国税査察官〜

主演:江口洋介
評価:B
コメント:
熱き公務員・サスペンスもの
国境を越えて行われる脱税コンサルタント(そんなのあるの?)とそれを追いかける国税査察官との間の駆け引きのドラマ。海外の租税回避地を使った脱税の手口と、それを絡む強欲をうまく描いている。ライバルである、ARATAが演じる役どころが底知れぬ悪を表している。
日本はまだ国境を越えた脱税/納税回避は少ないような気がする。海外だと有名人や大金持ちは平気でスイスに口座もって脱税しているイメージがある。

鉄の骨

主演:小池徹平
評価:C
コメント:
社会サスペンスもの
建設業界の談合がテーマ。入札談合ってこんなに昭和的な雰囲気なんですね。

 

トップセールス

主演:夏川結衣、椎名桔平
評価:B
コメント:
女性セールスマンの戦い
1970年代、車販売の現場に飛び込んだ主人公は、偏見とも戦いながら、トップセールスに上り詰め、外車販売会社の社長まで上がっていく。車をめぐる世相の変化とともにセールスとは何かを考えさせるドラマ。
BMW東京の社長、ダイエーのCEO、日産執行役員を経て、横浜市長にもなった林文子をモデルとしている。主人公もさることながら、ジャーナリスト、車会社会社員、通産省官僚として周りに寄り添う高校の同級生の存在も魅力的。

 

な行

七つの会議

主演:東山紀之
評価:B
コメント:
不祥事ドラマ。
ネジのリコール隠しをめぐって社内の政治的駆け引きが行われていきます。池井戸原作。社内の闇が次々と明らかになっていく展開に、思わず次の回を見てしまいます。

 

は行

ハゲタカ

主演:大森南朋
評価:B
コメント:
金融サスペンスもの
これを見るとファンドって面白そうと思えます。でも儲けすぎでしょう。
続編の映画もおすすめ。映画編では中国ファンドによる日本企業の買収劇が中心となります。国を挙げての中国資本の攻勢ってすごいですね。


花咲舞が黙ってない

主演:杏、上川隆也
評価:C
コメント:
銀行・勧善懲悪もの
銀行内部のどろどろを見事に解決していくドラマですが、個人的には出先の料理を楽しむシーンがほほえましいです。ただ、主人公が感情的で、それいったらダメでしょうというようなセリフもありました。
シーズン1と2があります。

半沢直樹

主演:堺雅人、上戸彩
評価:B
コメント:
銀行が舞台。半沢ブームの火種。池井戸潤の小説が原作。
悪いやつは最後にやりこまれるのが読めるので、安心して見られるにも関わらず、次はどうなるんだろうとハラハラドキドキする展開。続編が映画で早く出て欲しいですね。

不毛地帯

主演:唐沢寿明、小雪、和久井映見、遠藤憲一、柳葉敏郎、竹野内豊
評価:A
コメント:
商社マンもの
原作は山崎豊子の同名小説。1970年代に映画化とドラマ化がなされているが、今回挙げたものは2009年のドラマ版。第二次世界大戦中に参謀本部で作戦参謀を務め、対米戦争を立案していた主人公がシベリア抑留後の戦後、全く経験のない商社に入り、活躍する。戦闘機をめぐる受注争いや日本の高度成長のための油田確保に奔走する。スリリングかつ現実味のある話なので大変面白い。

ブラック・プレジデント

主演:沢村一樹、黒木メイサ、国仲涼子、門脇麦
評価:A
コメント:
一代でアパレル会社を立ち上げ成功させた社長が急に大学に行きたいと言い出したところから始まる。
会社、大学の研究室、サークルの3つを中心にして話しが進み、それぞれが重なり合って一つのストーリーになっていく。主人公の人間性とともに、彼に振り回されつつも彼の人間性に魅かれていく大学生や大学講師が好感。社会性のあるテーマを新興企業社長の視点から描きつつも、コメディや青春要素が入ることで、全体のバランスがよくとれている。大変面白い。

 

ま行

マグマ

主演:尾野真千子
評価:B
コメント:
事業再建・政治サスペンスもの
2011年の大震災を背景にして見ると登場人物の再生エネルギーへかける意気込みにもリアリティを感じます。投資を受けた会社の経営再建を担当する主人公が、再生エネルギーに心が引かれていく様が中心です。

マネーの天使〜あなたのお金、取り戻します!〜

主演:小籔千豊、片瀬那奈
評価:B
コメント:
お笑い金銭トラブルもの
まじめだけが取り柄の主人公が、弁護士資格なしで金銭トラブルについて無料相談をしているレストランと出会ったことからここでバイトをするようになる。
身近な金銭トラブルをテーマとしているが、とりわけ後半からお笑いの要素が強くなる。芸人も登場するようになり、お笑いと法律ドラマのよい割合が心地よい

メイドインジャパン

主演:唐沢寿明
評価:B
コメント:
経営もの
ルーズヴェルト・ゲームもそうですが、唐沢寿明の演技は個人的には大好きです。電機業界の日本企業が舞台です。中国への技術流出を背景に経営悪化した会社をどう立て直していくのか。日本企業の苦戦を表しているようです。
それと、やはり企業再生って面白いテーマですよね。戦略的な経営計画もしくは事業展開はやはりサラリーマンとしては面白い仕事でしょう。

 

や行

ユニバーサル広告社〜あなたの人生、売り込みます!〜

出演:沢村一樹
評価:A
コメント:
広告マンの人情ドラマ
大手広告代理店で敏腕ディレクターをしていた主人公。しかしあまりにも傲慢な態度から社内外で反感をもたれトラブルになりクビになる。社員が3人の弱小広告代理店でようやく拾ってもらい、真剣に仕事と向き合っていく。
シャッター街の「さくら通り商店街」に引っ越してきた残されたユニバーサル広告社。商店街の人は、昔の賑わいを取り戻したいと思いつつも、どうやっていいのかわからず無気力になっている。主人公たちは自分たちの真面目な仕事ぶりを通して、そうした地元の人にもポジティブな影響を与えていく。
広告のコンセプトや文句がどのように作られていくのかがうまく描かれており、広告業に興味のあるものにとっては必須のドラマ。沢村一樹が出るドラマはどれもうまくできていると感心するばかり。

 

ら行

ラギッド!

出演:芦田愛菜、岩城滉一
評価:B
コメント:
復讐もの
ある小さな車修理工場の社長が突然自殺。この会社の年金を預かっていた男は、年金を投資による失敗で失う。そのため工場もその損失を肩代わりするために倒産に危機に瀕する。
残された社長の娘(小学生)が、高齢者の知識と経験を借りながら、父親の仇である男からお金を取り返そうと奮闘する。
主人公の芦田愛菜の愛らしい演技も見物だが、それを支える岩城滉一の渋さも見逃せない。

リッチマン、プアウーマン

出演:小栗旬、石原さとみ、相武紗季、井浦新
評価:C
コメント:
新興企業社長もの+恋愛もの
新興企業の社長(小栗)が、受験勉強しかできないおっちょこちょいの女子大生と出会ったことから話は始ます。会社を巡るどろどろとした人間関係と女子大生を巡る恋愛を中心に、話は展開していく。
主人公の女性があまりにも出来なさすぎて見ていて疲れてくる。IT関連の社長なのにユーザー視点を忘れたソフト開発を進めるところも現実感がないような気がする。ただ、話が急に展開していく中盤あたりから引き込まれていく。
続編で作られたスペシャルのニューヨーク編も見逃してはならない。
なお脇役の井浦新の演技に注目!

ルーズヴェルト・ゲーム

出演:唐沢寿明
評価:B
コメント:
中小企業奮闘もの
池井戸潤の小説が原作。デジカメに使うイメージセンサーを製造する中小メーカーの話。会社の野球部の奮闘と、社長の奮闘を並行して描いています。取引中止といった苦境が次々と訪れるなかで製造メーカーをどうやって得意の技術力で挽回するのか、が見所です。

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