元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

一生に一度は訪れてみたい、美しい神社まとめ

私がこれまで実際に訪れ*、雰囲気が良いか自然との組み合わせが美しいと感じた神社をまとめています。北から南への順で紹介していきます。

*印の神社は今後訪れたいと考えている神社です。

磐船神社(大阪)

巨石が神体となっている神社。この巨石(天の磐船)に乗ってニニギノミコトが現れたという、ロマンあふれる言い伝えがあります。

ご神体は本当に大きな岩です。これを見ると、「船」と推定するのも理解できます。周りにも巨石があり、「岩窟巡り」も出来ます。この「岩窟巡り」は結構ハードです。しっかりとした運動靴でないと大変ですが、秘境感が好きな人にはおススメでしょう。

この「岩窟巡り」を抜けた後か、もしくは別ルートで、天岩戸と伝えられる穴も拝観できます。

日吉大社(滋賀)

比叡山・延暦寺と関係が深く、同地の僧兵が日吉神社の神輿を担いで都で暴れたことが有名な神社。日本史の教科書にも出ているので、ご存知の方も多いのでは。全国にある日吉神社・日枝神社・山王神社の総本山でもあります。

山王鳥居や山王造りという独特の建築が印象的で、仏教との神仏習合の姿に思いを馳せることができます。さらに、比叡山のふもとにあることもあり、圧倒的な山の背景との組み合わせも圧巻。

檜原神社(奈良)

鳥居にもしめ縄がつけられている

日原神社の特殊な形の鳥居

しめ縄でできた縄鳥居をくぐると三つの鳥居からできた鳥居「三ツ鳥居」が見えてくる神社。

箸墓古墳の近くの、田んぼが広がるのどかなところに位置しています。近くの大神(おおみわ)神社と同様、神体は背後の三輪山で本殿は存在していません。鳥居を通して山を拝むというシンプルな作りとなっており、かつての磐座信仰の形をとどめています。

宮中から天照大神の鎮座地を映した際に最初に選ばれた場所である倭笠縫邑と推定される場所の一つ。伊勢神宮に鎮座地が落ち着くまでにたどった変遷の最初の場所であるため元伊勢とも呼ばれています。

参照:境内マップ | 大和国一之宮 三輪明神 大神神社(おおみわじんじゃ)

大神神社(奈良)

大神神社の縄鳥居

大神神社にも三ツ鳥居があるが、後世に作られた拝殿によって拝殿前からは見えなくなっている。事務所で手続きすれば、説明とお祓いを受けた後に三ツ鳥居を拝むことが出来ます。(正しくは、三ツ鳥居から三輪山を拝むことが出来ます)

拝殿前の鳥居は縄鳥居(写真)になっており、檜原神社と同様独特な作りになっています。

石上神宮(奈良)

石上神宮ではカラフルな鶏と遊べます

日本史の教科書でもおなじみの七支刀(国宝)が伝えられてます。物部氏の総氏神でもあります。かつては本殿もなく、禁足地に埋められていた主神のご神体があるのみでした。禁足地は明治時代に発掘されたようです。

境内にきれいな羽色の鶏が放し飼いにされています。鳥好きにはたまりません。奈良公園の鹿もそうですが、奈良は神社仏閣で動物と触れ合えるのが特徴なのでしょうか。

参照:ご由緒【歴史】|石上神宮 公式サイト

石上神宮の黒い鶏

自凝島神社(淡路島)

自凝島地名

国生み伝説の際に最初に生み出されたされる島「おのころじま(自凝島)」の名前を冠する神社。

陸地に位置しているが、神社自体は高台の上にあり、海水面が高ければかつてはこの高台は本当に島であった可能性もあるのではと想像が掻き立てられます。

近くには国生み神話に登場する鶺鴒石や天浮橋と伝わる石が残されているので、神話好きにはたまらないかもしれません。

国生み伝説に登場する天の浮橋と伝わる石(天浮橋跡とされる石)

鶺鴒石(鶺鴒のつがいが止まったとされる石)

 

丹生都比売神社(和歌山)

高野山とゆかりの深く、高野山への参詣道の一部として世界遺産に登録されている神社。山の上の高台に開けた田園地帯にポツンと存在しています。

鳥居は外鳥居という様式。

この鳥居を抜けると、太鼓橋が現れます。

神倉神社(和歌山)

神倉神社の巨石

神倉山を神体とし、巨石を祭る磐座信仰を典型的に表している神社。

熊野三山の一つ熊野速玉大社が作られる前の熊野信仰の場所でもある。そのため熊野速玉大社はこの神倉神社に対して「宮社」と呼ばれています。やはり巨石が圧倒的な存在観を示しており、一見の価値があります。

参照:摂社神倉神社 - 熊野速玉大社公式サイト

飛瀧神社(和歌山)

那智の滝を背景にもつ神社

那智の滝を神体とする神社。

神話において東征の際に神武天皇が熊野から上陸する際に目印としたとされる滝でもあります。豪快な滝背景にした景色はCNNの日本の絶景にも選ばれています。

花窟神社(三重)

御神体にかけられた大繩

伊弉冉尊の墓地と伝えられる場所

日本書紀にも登場する伊弉冉尊の葬地とも措定されている神社。

巨石が神体であり、その上から縄がかけられている。この縄がかけなおされる神事が年に二回の例大祭で見られる。近くにはきれいな海岸線が広がっているので、こちらも是非訪れてみてください。

参照:花の窟・花窟神社

神魂神社(出雲)

神魂神社の入り口は森への入り口でもある

神魂神社の大社造りの本殿

大社造りの本殿は国宝。

奥まった森の中に鎮座するため、近くの出雲大社よりも荘厳さを感じます。

元乃隅稲成神社(山口)*

比較的新しいが、絶景に建てられた元乃隅稲成神社

昭和55年に建てられた比較的新しい稲荷神社。

稲荷神社は京都の伏見稲荷もそうですが、大量の鳥居が作る小道がきれいな景色を作っていることも多いです。この神社は特に海岸線との組み合わせの美しさからCNNが選ぶ日本の絶景に選ばれました。

参照:元乃隅稲成神社|観光情報|山口県の旅行・観光情報

天安河原(宮崎)

天安河原とされる場所に建てられた社

天照大神が岩戸に隠れたときに、神々が相談したと伝承される洞窟。神社ではないですが、社が建てられています。

洞窟の中から外を眺めていると、静寂さの中に太陽の光が差し込み、川から昇る蒸気がよく見えます。素晴らしい景色が広がっています。私はどんなにきれいな景色でも何時間も見ていると飽きる性格ですが、ここは何時間いても飽きないような気分にさせてくれます。毎日の仕事場にしてもいいぐらい素晴らしい場所。実は一番のおススメ

天安河原とされる洞窟から見た沢の絶景

鵜戸神宮(宮崎)

崖に立っている鵜戸神宮

洞窟の中にある鵜戸神宮の本宮

神社は崖に建てられており、本殿は洞窟の中に存在。

広大な太平洋とのコントラストが映える場所に建てられており、南国の雰囲気が漂っています。内陸の神社に慣れていると、海の開放感と神社の組み合わせが不思議にも感じられます。

天岩戸神社(宮崎)

天岩戸とされる洞窟を拝むための天岩戸神社

神話に出てくる天岩戸(と推定される洞窟。以下、天岩戸)の対岸にある神社です。

事務所で手続きをすれば、拝殿の背後にまわって対岸の天岩戸を拝ませてもらえます。天岩戸自体は拝める場所から離れて、かつ植物が茂っており、ほとんど認識できません。かすかに見えても、洞窟は後の時代の崩落もあって半分しか見えません。個人的にはもう少しはっきりと洞窟を見たいのですが、そうするとご利益も半減するということですか。(もちろん洞窟は撮影不可)

以上、美しく、普通の神社とは違った面白い神社をまとめてきました。やはり海や山といった自然との組み合わせがあると、神社も美しく見えます。

*神社においては神話との結びつきが強調され、上記でも神話との関連に言及していますが、私自身が神話との関連を信じているというわけではありません。あくまで観光する上での一つの楽しみとして紹介したまでです。

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