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元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

大学で近代日独軍事史を研究する伊藤智央のエッセイ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います。

【ネタばれ】『スター・ウォーズ7/フォースの覚醒』がダメな理由

メディア メディア-テレビ・映画

*2016/1/28追記

先日、『スター・ウォーズ7/フォースの覚醒』を映画館で見てきました。
ドイツ語版の吹き替えでしたが、正直ストーリーにがっかりしました。
何故がっかりしたかというと、エピソード4-6のパクリが多すぎるのに加えてストーリーが滑稽に思えたからです。

問題点① オマージュを通り越したパクリが多すぎる

エピソード4-6のパクリが多すぎて、ただ違う登場人物でエピソード4-6のストーリーを圧縮して焼き直したという印象しかありませんでした。

オマージュといえないほど、シーンがダブりすぎていて、ストーリーラインのオリジナリティが感じられません。少し例を挙げてみます。

事例① 酒場/たまり場のシーン (エピソード4と類似)

例えば、新作の酒場のシーンは、カットがエピソード4(スターウォーズシリーズ最初の作品)とほとんど同じに見えました。

エピソード4の酒場の雰囲気を継続するのであればいいのですが、楽器を演奏したり、ギャンブルをしていたりする酒場の様子を見せるカットまで同じというのはどうかと思います。

事例② レジスタンスによる総攻撃シーン (エピソード4&6と類似)

最後の攻撃のシーンでレジスタンス側は二手に分かれます。一方は、敵のデススター(をもっと巨大にしたもの)の弱点を飛行機で攻撃し、他方は敵の秘密兵器に直接乗り込みます。

デススターの弱点を攻撃するのは、エピソード4と同じで、敵地に乗り込んでシールドを解除するのはエピソード6と同じです。4と6を混ぜただけでしょう。

(戦闘機による攻撃シーン)デススターへの総攻撃

事例③ ソロの死 (エピソード4と類似)

ソロが死ぬという設定も、ソロのような事情を良く知った賢人がシリーズの最初に死ぬと考えれば、エピソード4のオビワンの死と同じです。

ソロが死ぬのは、映画全体がパクリという印象を与えていたので、該当シーンの20分ぐらい前から、予想できました。

予想が当たったときには正直、やっぱりパクリばっかりかという落胆と自分の予想は間違ってなかったという喜びが混じったものを感じました。

ソロが、最後の秘密兵器に乗り込んで、敵将校にシールドを解除させた後にごみ圧縮場の話をしてエピソード4を暗示していますが、このように、古いエピソードを知っていたら少し笑えるぐらいの暗示がオマージュであって、ただの焼き直しはオリジナルへのオマージュでも何でもないでしょう。

問題点② ルークに関する笑える設定

まず一番最初に、導入として文字が流れて行くところの文内容ですが、いきなり、ルークが姿をくらましたって言われても・・・

やる気あんの、ルーク?

話が展開するにつれてルーク失踪の理由が明らかになります。

その理由がなんと、ソロとレイアの子供のジェダイ教育に失敗したからというもの。
一人の子供の教育に失敗したからって失踪するか?しかもこの子供は悪に染まるかの重要な瀬戸際にあったにも関わらずルークは責任を放棄。

もっと頑張れよ、ルーク。お前のせいで、ソロも殺されるし、世界も駄目になってるんだぞ。

補足:配役の問題

カイロ・レンの素顔と声が幼さ過ぎて失笑

カイロ・レンのマスクが与える印象と、実際の素顔と声のギャップに笑ってしまいました。彼がマスクをつけているときの声は重厚で大人っぽい人物をマスクの下に想像させましたが、マスクをとったときのティーンネージャっぽい顔立ちと声、このギャップに映画館では若干失笑が聞こえました。もちろん、もうマスクとるの?というびっくりも失笑につながっていたかとは思います。

いい悪いの問題ではなく、まさかこんな若い人物が中に入ってるなんてっていう驚きです。

*ドイツ語版を見ての反応です

(重厚さを感じさせる、マスクをつけた状態のカイロ・レン) カイロ・レンのマスク

カイロ・レンのマスクがただのファッションであったのは納得

ただカイロ・レンの役設定で、彼がかなり早い時点でマスクを取ってしまったことをうけて、じゃあマスク必要ないんじゃない?という疑問が出ているようです。

これについては、私は全体のストーリー展開の中で後から考えてみると納得できることと思えました。

カイロ・レンは、途中の印象的なシーンにあるように祖父であるダース・ベイダーを崇拝しています。特にその遺品でもある燃え残ったマスクを聖遺物か何かのように崇拝しているため、単なる憧れから意味もなくマスクをつけているのだと思います。

カイロ・レンの幼い風貌や未熟な性格を考えれば、こうした子供じみた小道具も筋が通っています。

*ダースベイダーがかっこいいのは理解できます。ダースベイダーが充電器、芳香剤、保冷庫、マグカップやおもちゃにまで使われているのは、ある意味、ダースベイダーのインパクトの強さを物語っているのではないでしょうか。

結論 オリジナリティの欠如

スターウォーズは1-6まで何度も見たことがあり、そこそこのファンです。

なので、J. J. エイブラムスが新しいスタートレックで、伝統のあるスタートレック*を、CGがきれいなだけで中身が腑抜けのものにしてしまったことだけは繰り返して欲しくないです。エイブラムスの作品は、上映時にはきれいなCGと音楽でなんとかごまかせていますが、あと10年たって見た場合、CGによるボーナス効果がなくなるためストーリーのダメさが際立つのではないでしょうか。

*大ファンです。

もう少しストーリーがオリジナリティを感じさせるものにならない限り、スターウォーズの続編、特にエイブラムスによる続編はやめて欲しいです。

エピソード8-9がまだ続きますが、お金払って見るに値するかは考えものです。

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