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元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

ゲーテ・インスティテュートの授業はその高い授業料に見合う内容なのか?

語学 語学-ドイツ語

ゲーテ・インスティテュート(以下、ゲーテ)は、大学外でドイツ語教育を受けるには最高の場です。

というのも、公的な役割をドイツ政府から委託された権威ある機関だからであり、ドイツの大学の入学にも使えるドイツ語の試験も行っているからです。その点で、普通の語学学校とは異なります。

しかしその分、授業料が高いというイメージがあります。実際、ゲーテの授業はその授業料に見合ったものなのでしょうか?

私の体験をもとに考えてみます。

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

東京のゲーテについて

私が通ったのは、東京・青山にある東京ゲーテ・インスティテュートです。通い始めた当初は初級のコースに通っていました。

まずは、約3ヶ月にわたる週一回3時間弱の授業に対して7万円ほど払いました。

高校や大学での語学コースでは、わざわざ語学分の授業料だけを払い込むことをしないため、語学教育というものがどれだけお金のかかるものかは実感できませんが、自分で学校に行って勉強するとなると、財布へじかにその出費を感じ取られます

話しを戻すと、そのような高い授業料をとるゲーテに2学期分通いました。

初級者コースの感想

大学での第二外国語はフランス語でドイツ語なんて人生の中で話したこともない状態だったので、授業に行く前にものすごく緊張したことを覚えています。加えて、青山のゲーテは、青山三丁目の駅から離れているので、遅刻してしまったことも、この緊張に拍車を掛けました。

ゲーテに初めて行くときは、時間に余裕を持って出かけましょう!

講師の方は、日本人の女性で、当時の私の耳には、ドイツ語ネイティブのように聞こえました。

非常に丁寧な方で、コミュニケーション能力だけでなく、文法も含めてバランスのとれた授業でした。宿題として出した作文にも丁寧な添削をしてもらえました。

参加人数は当初、10人ほどだったのですが、次第に少なくなり、学期が終わるころには数人しか残っていませんでした。高い授業料を払ってるのに、途中から来なくなるのはもったいないでしょう。

出席者が少なくなっていったこともあり、集団授業は個別授業のようになっていました。そのため密度の濃い授業を受けられ、とても満足でした。この授業のおかげで、短期間のうちに初級から中級レベルまで上達できました

このように、授業料に見合ったものがあると感じたため、次の中級者コースも続けて受講することにしました。

中級者コースの感想

こちらのコースは、週に2回のハイペースで行われるインテンシブ・コースでした。もちろん授業料はその分、2倍かかりますが、ドイツへの留学という目標があったため、お金よりも時間を優先して、インテンシブ・コースを選択しました。

講師は50代ぐらいのドイツ人男性でしたが、残念ながら、本当にこれでドイツ語が効率的に上達するのか不安になるような授業でした。

ダメだった点①:顔をしかめる

講師のドイツ人は、日本人生徒がドイツ語を話しているときに、発音の問題なのか、内容の問題なのか、わかりにくい箇所があると、顔をしかめていました。

日本人生徒は、相手がそのような表情をすると敏感にそれを読み取ってしまいます。その結果、多くの人は発言をためらうようになります。そのため、講師が顔をしかめてしまうのは、萎縮効果があるのではないかと思いました。

少なくとも、日本人生徒の間では内輪で、「あれはやっぱりやめてほしい」という声が上がっていました。

ダメだった点②:生徒がついていけない教材

加えて、映画やニュースの一部を授業で見せて、生のドイツ語を教えようとしていたのですが、中級レベルには難しすぎるものでした。

しかも、講師の人は、そのシーンを見せるまでに、それまでの映画の文脈を口頭で教えてくれるのですが、映画の面白さを伝えるほど話上手ではありませんでした。その結果、面白さのツボがよくわからないまま映画の1シーンだけを細切れに見せられてししまいました。

その先生にとって好きな映画を単に見せているようで、私も含めて受講者は内容的にも、その映画への関心についても、ついていけていないようにも見えました。

確かにドイツ語を話す機会は授業でも十分与えられましたし、それなりに上達もしました。しかし、もっと効率的に、または楽しくドイツ語を上達させる方法があってもよいとは思いました。

講師によって異なる満足度

当たり前ですが、どのレベルのドイツ語コースであろうと、講師の人柄や能力次第で受講者の満足度は変わってきます。

外から判断しただけではどの講師が自分に合っているのかはわかりませんし、そのドイツ語コースに何を期待するのかによっても「いい講師」の基準は変わってきます。そのため、まずは実際にドイツ語コースを受講してみる必要があるでしょう。

いろいろなコースを受けていくうちに、自分にとってどのようなタイプの講師が合っているのかがわかってきます。

授業をどのように利用していくのかがカギ

ゲーテの授業については、かなり品質が高いとは思います。 確かに2人目のドイツ人講師にはがっかりしたことは事実ですが、一番大切なことは、自分がその授業をどのように「利用する」のかです。

事前に準備して、そのうえで授業に臨み、その授業でも質問があれば積極的に質問していくという心構えをもっていれば、講師の人はそれをきちんと受け止めてくれるという印象を受けました。

確かに授業料は少し高めですが、元をとれるように自分で努力すれば、それなりの学習効果が期待できるのではないでしょうか。

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