2020/01/31更新
私は日本にいながらたったの2年間で、全くの初心者レベルから大学入学レベル(C2レベル)までドイツ語を上達させることができました。
このように短期間で、しかもほぼ独学でドイツ語をマスターできたのは、ドイツ語辞書を上手に使ったおかげでした。というのも、ドイツ語辞書の選び方・使い方次第で、ドイツ語学習の効率性は格段に変わってくるからです。
ここでは私の体験をもとに、おすすめの電子辞書と辞書サイトを、その理由とともにお教えします。*1
2年で上級レベル?私の学習速度
私のドイツ語力の変遷は以下の通りとなっています。
学習歴 | 出来事 |
0~1年目 | ドイツ語を本で独学 |
1~1,5年目 | ゲーテインスティトゥートへ通う |
1,5年目 | ZMP*(B2レベル)合格 |
2年目 | ZOP*(C2レベル)合格 |
3年目 | ドイツの大学院へ入学 |
*ZMP=中級試験、ZOP=上級試験。
知識ゼロから出発してたった2年でC2レベル(ドイツ語の最上位)レベル*2に到達することができました。このように極めて短期間でドイツ語を上達させることができたのには訳があります。
それは、以下のドイツ語電子辞書の存在でした。
独和辞典:おススメは電子辞書
その辞書とは、カシオのドイツ語モデルシリーズです。以下の機種(2020年2月モデル)が最新モデルとなります。
では、なぜこの電子辞書を勧めるのでしょうか。それには2つの理由があります。それは
- 履歴機能の使いやすさ
- 収録単語数の充実ぶり
理由①:履歴機能の使いやすさ
私が冒頭で挙げたように急速にドイツ語を上達させることができたのは、この電子辞書の履歴機能を使って毎日ひたすら単語を覚えていたからです。
その日に新しく話したり、聞いたり、読んだりした単語は出来るだけすぐ電子辞書で調べるようにしていました。そのようにしていると、履歴に最近気になった単語が一覧となって表示されます。
ここで表示される単語を、夜と朝にひたすらメモ紙に殴り書きしました。書いて覚えるのは、小中学校で漢字を反復して書いた要領です。
その際、履歴の上位に表示されている単語から覚えていきます。
というのも、覚えていない単語は、そのたびに電子辞書で改めて意味を確認するため、履歴の上位に繰り上がっていきます。そうすると、
- 覚えている単語(=殴り書きする必要のない単語)は下に埋もれていき
- 覚えていない単語(=殴り書きする必要のある単語)が履歴の上位に表示されていきます。
つまり、上位に表示されている単語からチェックしていくことで、効率的に単語を勉強できるということです。*3
詳しくは以下の記事でも紹介しておりますので、ご覧ください。
理由②:圧倒的な収録単語数の『独和大辞典』
では、電子辞書の中でも何故このカシオのモデルがよいのでしょうか?
それは、この電子辞書が『独和大辞典』を収録しているからです。
この独和大辞典は、独和の中で収録単語の量が一番豊富です。下表のように掲載単語数を比べてみると『独和大辞典』の圧倒的な利便性は明白です。
昔は紙の辞書が一般的だったため、持ち運ぶことを考えるとコンパクトな辞典を使う意味もありましたが、電子辞書が使える現在は、持ち運びを考えてコンパクトな辞書を買う必要はありません。
そのため、将来にわたってドイツ語を勉強したいと考えている人は『独和大辞典』を収録した電子辞書*4を始めから使いましょう。
おススメのモデル
ここでは最新モデルを紹介していますが、最新モデルであろうと古いモデルであろうと、ドイツ語学習で必須となる辞書はほとんど同じです。
つまり、どのモデルも最も重要な辞典である
- 『小学館 独和大辞典』
- 『DUDEN 独独辞典』
を収録しています。(『DUDEN 独独辞典』については後ほど説明)
そのため、少しでも値段が安い、1世代型落ちした下のモデルもおすすめです。
2019年3月 | XD-SR7100 (1世代型落ちモデル) |
私自身、当時1年分型落ちした電子辞書を購入しました。私の使っている辞書は同じシリーズですが、XD-GW7150という古いモデルです。
もう10年以上も使っていますが、いまだに現役です。長く使い続けたい人にとって、1年のモデル年数の差は全く重要ではないでしょう。特にカバーを使えば、長持ちします。
ケースカバーは必需品
私は正規品のケースを使っています。鞄に直接入れることが多いため、ケースは傷だらけになりますが、電子辞書本体は今も傷一つなく輝いています。
純正ケースは色のバリエーションも豊富で品質もよいので、カバーを付けているだけで、電子辞書本体がいつまでも新品と同じ状態に保つことができます。購入を是非お勧めします。
同様の理由で液晶画面を保護するフィルムもおすすめします。
各モデルに対応するケース・保護フィルムは以下のようになっています。
ケース・フィルム |
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XD-SXシリーズ | フィルムとキーボードカバーとポーチケース | |||||
XD-SRシリーズ | XD-CC2505 (ブックカバー・タイプ) |
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XD-SRシリーズ | XD-CC2402 (セミハードカバー・タイプ) |
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XD-SRシリーズ | カシオ XD-SRシリーズ用 液晶保護フィルムCASIO EX-word XD-PF24 (ブルーライトカット機能含) |
和独辞典:おススメはオンラインサイト
「日本語→ドイツ語」=「和独」の場合、紙や電子辞書は単語掲載数が少ないので、私は主にオンラインのものを使っています。(↓)
愛用サイト:Wadoku - Japanisch-Deutsches Wörterbuch - wadoku.de
理由は、
- 単語を覚えるために履歴機能を利用しない
- 紙や電子辞書の和独辞典は、収録単語数が多くない
ということです。
「Wadoku」の収録単語数を、他の代表的な和独辞書と比べてみると「Wadoku」は頭一つ抜けています。
もともと和独は翻訳の参考にする程度にしか使っていないので、そのような使い方にとってはぴったりです。『Wadoku』は「日本語→ドイツ語」のアイデア出しとして使っていて、辞書で検索した結果をもとに自分なりにアレンジして独訳しています。
ドイツ語学習で重要なのは、「日本語→ドイツ語」ではなく、「ドイツ語→日本語」でしょう。そうした限定的な使い方のためには、無料の『Wadoku』は十分すぎるほどの機能を備えています。
独独辞典:おススメは電子辞書
独和辞典としてすでに紹介したカシオの電子辞書には、『独独辞典DUDEN』もさらに収録されています。
独独辞典、つまり、ドイツ語の意味をドイツ語で説明している辞典は初心者レベルの段階で使うことはありません。しかし、学習が進むにつれて、独和よりも独独を使うようになってきます。
つまり、紹介した電子辞書であれば、上級者になっても辞書を買い替える必要はありません。
カシオのエクスワード電子辞書をすでに持っていて、それがドイツ語モデルではない場合でも、新たにドイツ語モデルの電子辞書を買う必要はありません。
ドイツ語コンテンツのカードを、手元にある電子辞書に差し込むだけで、上で述べた『大独和辞典』と『独独辞典』が追加できますので、追加カードを購入することをおススメします。
辞書の選び方で上達の速度は変わる
うまく辞書を使いこなすことで、語学の上達速度は変わってきます。
紙やアプリの辞書を勧める人はいますが、私は断然電子辞書をおすすめします。
語学勉強で一番時間をとられ、イライラするのは、単語を調べる作業ではないかとも思っています。紙やアプリで調べたからといって、単語が頭に残るわけではありません。
単語を調べるこの作業さえ短縮できれば、苦痛を減らして語学をより楽しく学習できるのではないでしょうか。そのためには、単語を覚える必要があります。
辞書アプリは確かにすぐに意味を調べるには向いています。しかし、反復練習をするには使い勝手が悪いです。紙の辞書も反復練習に向いていません。
そのため、長期的に考えると、電子辞書(+オンラインの無料和独辞典)が、ドイツ語の上達にとって一番向いているのではないでしょうか。
その他のドイツ関連の記事
*1:ここで紹介している辞書選びの方法と勉強の仕方は、他のヨーロッパ系言語の場合にも当てはまります。ドイツ語以外の他の言語を学習している方は、以下の記事の中の、「ドイツ」という言葉を各自が学習している外国語名に置き換えて読んでください。
*2:ヨーロッパではCommon European Framework of Reference for Languages(CEFR)という基準で言語レベルを測ります。
- 初級:A1~2
- 中級:B1~2
- 上級:C1~2
となっており、ZMPはB2レベル、ZOP(現在は廃止)はC2に該当します。
*3:辞書アプリは使えない:辞書アプリも存在しますが、履歴機能が使いにくいのがネックです。そのため、暗記のための手段として辞書を見ると、語学を上達させていくには不向きといえます。
*4:上記の電子辞書には、『クラウン独和辞典』は未収録、『オックスフォード ドイツ語辞典』(収録数:約30万語)は収録