元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

【画像有り】ドイツで見た恐怖のゴキブリ展

ドイツの動物園には昆虫の展示スペースがある場合があります。例えばフランクフルト動物園やシュトゥットガルトのヴィルヘルマ動物園がそれにあたります。

しかし、ここには単なる熱帯地方の昆虫やクモがいるだけではありません。なんとゴキブリもいるのです。

ゴキブリは現代日本人にとっては身の毛もよだつものですが、考えてみれば昆虫の一種にしかすぎません。恐らくカマキリを見るような感覚でドイツ人はゴキブリを捉えているのでしょう。

ということで、ゴキブリを探し求めてドイツの動物園を訪問してきました。

<注意>
以下、ゴキブリが群がる写真がありますので、閲覧は自己責任でお願いします

いきなりゴキブリの画像紹介というのでは味気ないので、ゴキブリ・スペースにたどり着くまでの様子を前座としてしばしお楽しみください。

入り口

さてフランクフルト動物園の入り口です。天気もよく、ゴキブリ日和と言えます。しかしこのゴキブリ日和の天気が後で問題になるのですが、それはまた後で・・・

フランクフルト動物園の入り口

外来生物館(Exotarium)

動物園の敷地は広いですが、その中でも爬虫類や虫を集めた外来生物館があります。これが目的なのでここへ直行です。天気もよく家族連れだらけでにぎわっていたのですが、この日外来生物館へ直行したのは私ぐらいではないでしょうか。

熱帯地方の虫や爬虫類が展示されている施設

そして・・・

あっ

あのケースっぽい

ゴキブリのショーケース

見つけました!これです、ゴキブリ・ショーケース!

ここで、ゴキブリ日和の晴天が牙をむきます。少なくとも私のカメラに。写真とりたいのに、太陽光のガラスからの反射が激しくて写真映りが悪い。曇りの日にくればよかった・・・

すみませんが、この写真映りでゴキブリ三昧をお楽しみ下さい。

丸太に群がるゴキブリ達

群れとなっている様子

うっ・・・やっぱり気持ち悪い。これだけ集まってガサガサ動いているときついですね。しかも結構大きいです。

木に張り付くゴキブリ達

森に生きる

基本、日陰を好むのか、ガラス側とは反対の場所に群がるゴキブリ達

日陰を好む

何かゴキブリの上にゴキブリが重なり合ってるようにも見える・・・

ゴキブリ

エサの中でくたばる一匹のゴキブリ

死因が不明

どんな事情で死んだのか興味が湧いてきます。

あてもなく単独でさまよう単独行動主義者

一人で行動

マダガスカル・ゴキブリという種類

展示されているゴキブリはゴキブリといってもマダガスカル・ゴキブリという種類です。

その名の通り、マダガスカル島に生息するゴキブリですが、一般のゴキブリと違い人家に住み着くこともなく草食で森にいます。害虫ではありませんが、しかし動きが遅いとはいえ、見た目はゴキブリの一種ということが瞬時にわかり、やはり気持ち悪いです。体長も5センチ以上なので、日本の黒ゴキブリの1,5倍ほどあります。

参考記事:マダガスカルゴキブリ | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

日本のゴキブリのほうが気持ちと思うかもしれませんが、主観的な気持ち悪さだけで言うと、日本のクロゴキブリと同じレベルです。

写真で見せたフランクフルトのゴキブリは、まだ一ケースあたりにいるゴキブリの数が少ない方です。シュトゥットガルトのショーケースには、ゴキブリが何重にも重なってうごめき合っていました。下層のほうは恐らく死体となって踏み台になっていましたが、上の2,3層は生きているゴキブリからなっていました。

そのときは余りの気持ち悪さに無意識的に後ずさりしてしまい、後ろで冷静にショーケースを眺めていた紳士にぶつかってしまいました。

ゴキブリを楽しむ人たち

しかし、こんな気持ち悪いものを何で動物園で見せるのでしょうかね。ゴキブリへの気持ち悪さはやはり文化的なものなのでしょうか。ドイツ人・トルコ(?)人にとってはそれほど恐ろしいものではないようです。

興味深くショーケースを眺める中年の男性、深く見入るカップル、物珍しそうに眺めたり写真をとったりしているアラブ・トルコ系の人たちと、いろいろな人たちがいましたが、気持ち悪いという表現をしている人はいませんでした。

通りすがりに眺める男性 腰をかがめてまで観察するカップル
   
アラブ系の人にとっても興味深い? 写真をとって後でもう一度見返すの?

お口直し

気分が悪くなった方は、ワニやフラミンゴでも見てお口直しでもしてください。

のんきなワニたち

フランクフルトのフラミンゴ

結論

多くの日本人が抱いているゴキブリへの嫌悪感は後天的なものなのでしょう。ゴキブリの様子だけでなく、それを取り巻く人間を観察することでそうしたことに思いを馳せることができたゴキブリ見学でした。

補足:「ドイツ人はゴキブリを好んで食べる」というのは嘘

ネットでまことしやかに出回っている噂「ドイツや中国では食用ゴキブリが好まれている」は、少なくともドイツに関しては嘘です。どこからこんなデタラメが発生しているのかはわかりません。

ドイツでもゴキブリは病原菌を運ぶ害虫と認識されているので、不衛生というイメージがついた生き物は食べません。日本と同様に、海外のどこかで食べられているゲテモノとしてしか認識されていません。

参考記事:Kakerlaken als Lebensmittel
(こちらにも調理済みや生のゴキブリの写真がありますので、ご注意ください)

他にも以下のような記事も書いております。

www.ito-tomohide.com