ナチス政権下でドイツ参謀総長も勤め、最期はヒトラー暗殺計画の中心人物の一人として処刑された砲兵大将ルートヴィヒ・ベックの両親が住んでいた住居がヴィースバーデンにあります。
このベック別荘と今でも呼ばれている邸宅に、彼の両親は1898年から住んでいました。
ベック自身は1898年にヴィースバーデン内にあるギムナジウムを卒業して、同年にストラスブールに見習士官としての任についていることから、時折休暇で帰る際にこの別荘に立ち寄っていたと思われます。
ベック別荘 Rheingaustraße 138, Wiesbaden
ベックの父である同名のルートヴィヒ・ベックは、ブンゼンバーナーで有名なブンゼンの下で博士号を取得し、製鉄の分野で講義や著作も発表していたことに加え、自ら製鉄所を経営するなど、製鉄に関しての第一人者でした。経営者でもあったため、裕福な暮らしだったのでしょうね。
現在は普通の住居として使用されており、複数の世帯が入居しているようです。家賃は高めでしょう。こういう100年以上前の建物は外観や内装はいいですが、天井も高くて暖房費がかかるため、経済的に余裕がない住めません。
ワーグナー滞在場所
このベック別荘はライン川沿いの景色のよいところに建てられています。近くには、ワーグナーが『ニュルンベルクのマイスタージンガー』の序章を1862年に作曲した家があります。
ビーブリッヒ城
道をはさんで隣にはビーブリッヒ城もありますので、ベック別荘に来る際にはお城も観光できます。
ちなみに対岸は別の州となっており、州都マインツです。ライン川沿いは散歩には最高です。