元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

ドイツの大学で歴史を研究する伊藤智央のブログ。ドイツと日本に関する批判的な評論を中心に海外生活(留学や移住)の実態をお伝えしています。その際には元戦略コンサルタントとしての経験も踏まえてわかり易くお伝えできればと思います

ドイツ留学に適しているのはどんな性格の人か?失敗する人、成功する人

ドイツでの留学生活が、どのようになるのかは、留学する人の性格に負うところがかなり大きいといえます。というのも海外で生活するのはストレスが溜まりやすく、性格次第で地獄にもなりうるからです。

ではどのような性格の人が、留学に向いてるのかのでしょうか?これまで、いろいろな留学生を見てきた経験から、おもにドイツ語圏での留学と性格との関係について述べてみたいと思います。

留学は冒険

ドイツでの生活はストレスが溜まりやすい

ドイツでの留学生活では、日常的にかなりストレスが溜まります。例えば下の記事で書いたように、工事関係者の都合で不条理にも、何日も断水するということもを身を以て 体験しました。

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もちろんこの間はシャワーも使えませんし、食器も洗えませんでした。これは学生寮という状況での特殊な事件であったとしても。これに準ずるようなことはいくらでもあります。

例えば

と言ったことがあります。

こうしたことは、本当に些細なことなのですが、日常生活の中で何度も繰り返して怒るとストレスが溜まってきます。

下のビデオは、極端な例ですが、宅配便がぞんざいに扱われていることもあります。

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(もちろん、宅配員の労働条件が悪い事も、労働モラルが低い一因なので、宅配員でけの責任ではありません)家にいるのに不在扱いで、郵便局まで取りに行ったこともありました。

また、言葉の壁からくるストレスも大きいです。それは日本語ではうまく表現できることも、ドイツ語では表現できない、ということから由来します。

というのも。何をするにもドイツ語の理解が不十分なので人の言ってることが一部しかわからなかったり、日本とは事情がちがって戸惑うことがあるからです。

そういう時に、自分は何もできない子供のようだという風に自分で感じてしまう時があります。しかし当然ながら自分は大人です。つまり自意識では大人でも、実際には子供以下のことしかできないと感じるギャップから相当なストレスを受けます。海外に住んだことがあり海外生活の苦労がわかっているドイツ人ばかりと付き合えるのであればいいのでしょうが、そうでない場合、周りの無理解に苦しみます。「言葉ができない」=「バカ」という扱いを受けたこともありました。

ドイツ人の中には、外国人に親切な人も多いのですが、スペイン人やイタリア人に比べると全体的に閉鎖的です。友達の輪に入るのもそれほど簡単ではありません。

几帳面な性格の場合

そうした事情を考えると、ドイツで生活する上で、完璧主義的な考え方、つまり何事もきちんとしてないと気が済まないというような考え方の人は、ストレスが溜まりがちとなります。まじめな人ほど、気苦労に絶えません。

悩んで鬱になったり脱毛症になったりする人もみました。このようなことを書いてる私も実際、ストレスのあまり帯状疱疹にかかりました。こういた事情は、留学生活を赤裸々に綴った以下の私の記事にも書いてあります。

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こうした性格の人は、能力云々の前に、精神的に参ってしまい、留学に挫折してしまうことがあります。

とはいえ真面目さから留学生活がストレスフルであったとしても、それはそれで学ぶことがあるでしょうし、真面目さゆえに努力を欠かしません。その努力自体が、後々に人生の糧になったり、数年後に優秀な成績で卒業したりしています。

のんびりとした性格の場合

いろんなことにルーズな人には、こうした生活をからくるストレスをまともに受ける事がありません。そのため、意外にも留学を細く長く続けることができる傾向にあります。人の目もあまり気にしませんし、「頑張らないと」という自己プレッシャーも少ないからです。

何事も楽観的でのんびりとした性格の人は、楽しく留学生活を過ごせるのではないでしょうか

ただ中には、余りにのんびりしすぎて、何も勉強せずに終わってしまう人もいますが。

一般的な傾向として、まじめな人はストレスな生活を送る分、努力も多く成功しやすいのですが、楽観的な人は、気楽に海外生活を過ごして楽しめる分、勉強がおろそかになるのかもしれません。*1

私の人生について

*1:ここで述べたことは、あくまで観察に基づいた一般的傾向でしかありません